第83章 私には決められない、あなたはできるの?

有岡里穂の口調は速かった。けれど、傍らで鳴り続けるピッ、ピッ、ピッという電子音は、それ以上にせわしない。

ナースステーションに異常アラームが飛んだのだろう、看護師が慌てて駆け込んでくる。

「どうしました? なんで機器がこんなことに……!」

彼女は手早く装置を元の位置に戻しながら、顔を覗き込んだ。

「どこか気分悪いところ、ありませんか?」

「大丈夫です。ありがとうございます」

看護師は念のためにいくつか注意を告げると、足早に出ていった。

小さな騒ぎが挟まったせいか、有岡里穂の胸のざわつきは少しだけ落ち着いた。深く息を吸い、濁った空気を吐き出す。そして、疑いと困惑を滲ませた目を、も...

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